土壌の違い

Bourgogne地方、Côte de nuit の Morey-St-Denis に位置するDomaine Taupenot-Merme。
1963年にワイン造りを始めた歴史ある生産者。この生産者は7つのVillage、6つのPremier cru、4つのGrand cruを含める19の区画を保有しており、赤ワインと白ワインを生産しています。先日当店で行ったウィークリーテイスティングではこの生産者のGevrey Chambertin、Morey-Saint-Denis、Chambolle Musighyの3つのVillageで、2019年ヴィンテージの比較テイスティングを行いました。

2019年ヴィンテージ
気候の変化が多い年でした。穏やかな冬で湿度の高い12月から始まって、春は4月上旬に霜が降り、5月は乾燥した暖かい季節となりましたが、6月には気温が急降下しました。これにより部分的に開花が阻害されて結実不良(ミルランダージュ)が発生。夏は非常に乾燥して暖かく、大部分のブドウの木は収穫まで非常に良い状態を保ち、その良い流れのまま、ブドウの収穫が9月16日から10日間かけて行われました。

この年の赤ワインはミルランダージュの影響からくる果実の凝縮感、しなやかなタンニンを感じ、力強い味わいがありながら、エレガントさも持ち合わせています。ミルランダージュが起こると、果肉が僅かしか発達せず、果皮が厚くなるため、その分だけワインのアロマが豊かになります。2019年は素晴らしい調和を伴うワインとなりました。

土壌の違い
この3つの村名畑では、手摘みで収穫し、100%除梗、新樽比率は25~30%、熟成期間も15~18か月とほぼ同じ条件で醸造されています。土壌によるの違いが、そのまま味わいに表れます。

・Gevrey-Chambertin
村名畑の総面積は約360ha。標高は260~320m。村名畑はGrand cruとPremier cruの下方にあり、幹線道路D947を挟んで広がっています。森の上方にも存在し、村の北側にも伸びています。褐色のカルシウムと石灰岩の土壌。台地から運ばれた赤い泥土と崩落土に覆われた泥灰土。これらの小石はワインにエレガンスなニュアンスとフィネスさを与え、貝の化石を含んだ泥灰土はワインにボディと堅固さを与えてくれます。

・Morey-Saint-Denis
村名畑の総面積は約64ha。標高は220~350m。村名畑は幹線道路D947沿いと森の斜面最上部付近に位置します。土壌はジュラ紀中期の石灰質と粘土石灰質。斜面上部にはバトニアン階(1億6700万年前~1億6400万年前の地層)の白い魚卵状石灰岩であり、水はけがよく、ブドウの根が深くまで伸びます。下部はバジョシアン階(1億7100万年前~1億6700万年前の地層)のウミユリ石灰岩となっています。

・Chambolle Musigy
村名畑の総面積は約94ha。標高は 250~300m。村名畑は幹線道路D947沿いと森の斜面最上部付近に位置します。土壌はジュラ紀中期のバジョシアン階、バトニアン階の粘土石灰質ですが、北側の斜面にはバジョシアン階のウミユリ石灰岩が多くみられ、南側の斜面はバトニアン階のコンブランシアン石灰岩を母岩としています。石灰岩が多い土壌なためブドウはミネラル分を豊富に取り込み、ワインに繊細な味わいを与えてくれます。


今回ご紹介したワイン
Domaine Taupenot-Merme / Gevrey Chambertin 2019 (税抜:11,550円)
Domaine Taupenot-Merme / Morey-Saint-Denis 2019 (税抜:13,200円)
Domaine Taupenot-Merme / Chambolle Musigny 2019 (税抜:12,100円)

このコラムを読んでくださりありがとうございます。
少しでもこの生産者に興味を持たれましたら、ぜひお試しあれ!
↳https://cellardoorfinewine.jp/collections/domaine-taupenot-mermerm

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